14インチホイールについては、初心者向け車両としてこれまでninebot one S2、
INMOTION V5Fの二つを紹介してきました。
今回は、キングソングの高性能14インチホイール、KS-14Dを紹介します。
これまでの14インチホイールとは比べ物にならない程の、超ハイスペック14インチホイールとなっており、
初心者から上級者まで幅広く満足して走ることのできる車輛となっています。
それでは、その詳細を見ていきましょう。
スペック比較(KS-14D/V5F/one S2)
名称(メーカー) | KS-14D (kingsong) | V5F(INMOTION) | one S2(ninebot) |
最高速度 | 30km/h | 25km/h | 24km/h |
航続距離 | 30~40km | 35~40km | 30km |
本体重量 | 14.5kg | 11.9kg | 11.4kg |
耐荷重 | 120kg | 120kg | 120kg |
充電時間 | 3.5h | 3.5h | 3h |
バッテリー容量 | 420Wh | 320Wh | 310Wh |
駆動電圧 | 67V | 84V | 63V |
モーター | 800W | 550W | 500W |
タイヤサイズ | 14″x2.125″ | 14″x2.125″ | 14″x2.125″ |
車体ステイ機能 | 不可(オプションなし) | 安定ステイ可 | 不可(オプション) |
トロリーハンドル | 標準搭載・引出式 | 純正可(オプション) | 不可(オプションなし) |
バッテリーインジケータ | 側面装飾LED | 上面液晶 | 側面装飾LED |
ヘッド/テールライト | 標準搭載 | 標準搭載 | 非搭載 |
ウェイトバランス | サイドウェイトダブル | トップヘビー | サイドウェイトダブル |
ペダル高さ平均/角度 | 140㎜/9.0° | 150㎜/12.5° | 120㎜/8.5° |
USB出力ポート | TYPE-A x1 | 非搭載 | 非搭載 |
Bluetoothスピーカー | 標準搭載 | 非搭載 | 非搭載 |
これまでに紹介した14インチホイールとの比較です。
KS-14Dは、現世代の16インチホイールにも劣らない、14インチホイールとしては破格のスペックを有しています。
不満点は、車体ステイ機能がオプションでも存在しないところでしょうか。
せめてV5Fのように前倒しでステイ可能な車体形状にしてほしかったと思います。
特徴
それでは各所の特徴を見ていきましょう。
タイヤ
タイヤはこれまでの14インチホイールと同じサイズ(14″x2.125″)です。
標準装備のタイヤのスペックを示します。
- J-LB911T(Eakia)
- 14″x2.125″/57-254
- 240-310kPa(35-45PSI)
ペダル
ペダル角度が浅い為か、乗っていてそれ程高いと感じることはありません。
ヘッドライト・テールライト
前後に同一のライトを標準搭載しています。前進方向のライトがヘッドライト、後方がテールライトになります。
また、パワースイッチを短く押すことで、ヘッドライトの点灯・方向切り替えが可能です。
バッテリーインジケータ
ninebot one S2と同様に、装飾LEDによって残量を示してくれます。
Bluetoothスピーカー
車体にはスピーカーが搭載されており、buletoothによってアプリと連動して
音楽を流すといった機能をそなえています。
日本でこの手の行為を行うと周囲に煙たがられるので、使用は推奨いたしかねます。
静かに乗ることを心掛けましょう。
USB出力ポート
USB TYPE-Aを一門備えています。車体のバッテリー容量を使用して充電を行うことが可能です。
パッド
INMOTION V5Fと同様のスネの位置にパッドを装備しています。
トロリーハンドル
キングソングが得意とする、斜め掛けのキャリーハンドル兼トロリーハンドル。
トロリーハンドルは引き出し式になっています。
キャリーハンドルは、持ち上げた際に空転防止スイッチがONの場合、空転防止スイッチが働き、空転を防ぎます。
実際のところ、このトロリーハンドルには少し不満があります。
14インチホイールは小径ということも重なり、トロリーハンドルの全高が少し低く感じるのです。
個人的には、あと100㎜高さがあるだけでも印象は違っていたと思います。
背が低い子供や女性にはちょうどいい高さなのかもしれませんが、
機能的なトロリーハンドルだけに少し残念な部分です。
専用アプリ
キングソング専用の最新アプリがbluetooth4.0によって接続可能です。
現在の車両の様々な状態をモニター・記録できます。
KS-14Dで設定可能なアプリの項目について、
主要項目を確認していきましょう。
最高速度
最高速度、警告アラーム速度を調整できます。
ペダル傾き角度・リーン傾き角度
ペダルの傾き角度(前後)は水平を0°としたとき、マイナス側は後ろ側に、プラス側は前側に傾きます。
リーン傾き角度(左右)は垂直を 0° としたとき、指定角度までリーンして傾いた場合に
一時的にジャイロをOFFにする機能です。
個人的には、アクセルした際に前のめりになる感じが厭なので、ペダル傾き角度を-3.0°に調整しています。
リーン傾き角度は、ある程度の傾けることを想定すると初期の40°以上は欲しいので、60°に設定しています。
ロック・アンロック
車体のジャイロをロック・解除できます。
出荷状態では車体はロックされている場合がほとんどですので、アプリを使用してロックを解除しましょう。
空転防止スイッチ
キャリーハンドルで車体を持ち上げた際の、空転ON/OFF切り替えスイッチです。
よほどのことがなければ通常はONで構わないと思います。
ライディングモード
乗り心地を調整する機能です。
- エクスペリエントモード(HARD)
- ライディングモード(NORMAL)
- ラーナーモード(SOFT)
のいずれかを選択する形になります。
個人的にはSOFTモードはお勧めできません。
理由としては、一見心地よく乗ることができるように感じますが、カーブの際にペダルの応答が遅すぎる為、
慣性にペダル角度が追い付かず、尻餅をついて転倒する恐れがあります。
HARDモードは逆に、ペダル応答性が速いため、カーブの際などに扱いが難しくなります。
私としては、無難なNORMALモードで慣れておくことをおススメします。
ライティング調整
装飾LEDの発光の仕方を変更・調整することができます。
自分好みのカラーになるように、色々と試してみましょう。
付属品
製品本体に付属している付属品も確認しておきましょう。
- 充電器
- 取扱説明書
充電器は、日本国内でも問題なく使用することができます。
場合によっては、コンセントが日本(Aタイプ)と異なる場合がありますが、
コンセント側コードを抜き刺して変更するだけで使用することができます。
充電器は、各車両の駆動電圧によって仕様が異なります。 必ず各車両ごとに専用の充電器を使用してください!! 電圧の異なる充電器で充電を行った場合、バッテリーが破壊され、 火災の原因となる恐れがあり大変危険です!! たとえコネクタ形状が同一だとしても、仕様の不明な充電器で充電することは 絶対にしないでください!!
取り扱い説明書に関しては、購入するディーラーによって異なっていたり、入っていない場合もあります。
ライド・インプレッション
以前にもお伝えしていますが、電動一輪車で重要視されるのは結局のところ、乗り心地の良し悪しです。
ここからは、スペックと外見だけでは判断できない乗り味に関して解説していきます。
ペダル
ペダルを展開するために少し硬めのクリック感があります。
また、硬い展開のお陰で、少しの負荷では閉じたりすることがありません。
それを利用して、片方のペダルを展開したままステイさせれば、
なんとか車両ステイの代わりには使用できます。
それでも使い勝手はイマイチなので、ステイバーなどを自作して改造するかもしれません。
余計なラバーのポイントなどがない、全面グリップテープ仕様で、
よく滑り止めが働いていてよいと思います。
ペダル高さもに関しても、ninebot one S2よりも少し高めですが、内側へのペダル角度が小さい為か、
割と低く感じます。
INMOTION V5Fのペダル高さと、内側への角度は特殊ですが、その理由はパッドによって
よりしっかりとバッテリーを挟み込むことで、車体をグリップさせたい狙いがあるのだと考えています。
O脚の自分にとっては、そもそもパッドに脚が触れないので、INMOTIONはあまり合わないという訳です。
モーター回転快適性
これまでのキングソングの車輛のモーターは特徴的で、チリチリするような感覚を感じるのですが
とても軽快で、非常にスムースな回転をするモーターばかりでした。
しかしこのモーターの感覚は、どちらかというとINMOTIONのモーター感覚に近い、
濡れたような回転感覚です。V10Fのようなウェットで心地の良い回転をしてくれます。
ninebot one S2の回転快適性ともまた異なります。
one S2はドライな感じなのですが、まるで刃物の刃先を
指でなぞるような感覚がする、スムースでソリッドな回転を楽しむことができます。
ウェイトバランス
INMOTIONとは異なり、バッテリー位置がサイドウェイト型なので、
私としては好みで非常に扱いやすいです。
以前に近しいスペックのINMOITOIN V8に乗ったことがあるのですが、
車体バランスに関してよい印象を受けなかったので、バッテリーの配置位置は
このスタイルが一番いいものと思っています。
当然、重心がホイールの回転中心にある為、
アンクルグリップによってとても軽快に扱うことができると思います。
スピード
例えばninebot one S2等の14インチホイールでは、24km/hよりもう少しだけ加速したいと感じた時に、
すぐにアラームが鳴ってティルトバックに入ってしまう状況が頻発してしまうのですが、
最高速度である30km/h仕様よって、14インチで走りたかった加速が可能になったので
さらに楽しく、より快適です。
しかし、ホイールの回転数の上昇により車体が不安定になるので、14インチホイールのような
小径ホイールでは、車体の安定性等も考慮すると、30km/hまでが限界、
というよりもちょうどいいスピード上限なのかもしれません。
GotWay Mten3の場合は10インチとさらに小径な為、同じスピードでもホイールの回転数が高くなることから、
高速時に非常に不安定になり、最高速である40km/hを維持しようとすることは
現実ではなかなか難しいものです。
高速になる程車体のバランスを保つことが難しくなるため、
ちょっとしたことでも転倒してしまう恐れがあります。
このように、車体の安定性を安全に保つことができるホイール径にあった
適切なスピード上限というものがありますので、30km/h以上のスピードは、
14インチ以下の小径ホイールで無理をして達成するのではなく、
素直に14インチよりもグレードの高い、16インチホイール等に乗り換えた方が良いと思います。
その他
やはり少しだけ気になるのが、キングソング特有のライディングモードのペダルの応答性です。
このペダル応答が走行中、もしくはカーブの際などに自動でペダルの角度を補正するのですが、
その挙動がすこし機械的でリニアな印象をうけます。
直ぐに慣れてしまえば何ともなくなりますが、他の車輛から乗り換えた直後は
妙な違和感があることに気が付くかもしれません。
特にKS-16Xはその挙動が強く、慣れるまでは本当に不思議なホイールだと思っていました。
総括
今回は、キングソングの高性能14インチホイールである、KS-14Dについてレビューを行いました。
個人的な主観で特徴を纏めておきます。
良い点
- ウェイトバランスが良いので、軽快に操ることができるホイールである。
- スペックが高い。30km/hまで出せることで、加速時のフラストレーションが溜まりにくく、快適に乗れる。
- トロリーハンドル・ライトなど、必要な機能も標準装備であること。
良くない点
- キングソング特有のライディングモードのペダル応答に違和感を感じる。
- トロリーハンドルの高さが少しだけ低い。
- 車体ステイ機能がなく、オプションなどもないこと。片方のペダル展開で代用するしかない。
良くない点はあえて挙げた程度で、14インチホイールの中でも至高のホイールであることには
間違いありません。これ一台でオールレンジをこなすことができると思うので、
- これから乗りたいと考えている方
- 他の車両にステップアップするつもりはない方
- 一台のみ購入を考えている方
などにおススメいたします!
なお、販売価格は約¥79,000です!
ですが、この車両は日本で一般販売されいない為、もし購入を検討されたいという方は、
日本で独占契約を行っているキングソングのディーラーに問い合わせてみてください。
需要が多ければ、一般販売もするようになるかもしれませんよ?
以上、Alai Smi-yo-Theeでした。
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