セグウェイの最終形態。ninebot one Z6レビュー

レビュー

今回は、ninebot-segwayから販売されているone Zシリーズについて紹介します。

Zシリーズが登場してから既に2年以上が経過していますが、どのメーカーからも、
未だにZシリーズのコンセプトを越えたホイールは登場していないと断言できます。

特殊な仕様でありながら、その合理的なコンセプトとスタイルは、
電動一輪車、しいてはパーソナルモビリティのある種の完成形として、今なお頂点に君臨し続けています。

それでは、ninebot one Zシリーズの詳細を見ていきましょう。

概要

segway社がninebot社に吸収合併されたのち、
2018年に登場したninebot-segway社製の18インチホイールで、
同時期に発売されたone A1/S2とは一線を画したハイエンドモデルとなります。

ninebot one Z6

独自の4インチ幅のチューブレスタイヤを採用することで、パワフルな大型ホイールに分類されながらも
16インチホイールと同等程度のコンパクトさを実現しています。

また、バッテリー容量・モーター出力の違いにより以下のバリエーションが存在していますが、
それらのシェル・カバーの形状・サイズは全く同じであり、ウェイトのみが異なる仕様となっています。

  • Z6 :最高速度 35km/h 航続距離 約45km
  • Z8 :最高速度 40km/h 航続距離 約70km
  • Z10:最高速度 45km/h 航続距離 約90km

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スペック比較(oneS2/oneZ6)

ローエンドモデルのone S2と比較してみましょう。

名称(メーカー)one S2(ninebot)one Z6(ninebot)
平均価格帯¥65,000\ 160,000
最高速度24km/h35km/h
航続距離30km45km
本体重量11.4kg25kg
耐荷重120kg150kg
充電時間3h6h
バッテリー容量310Wh530Wh
駆動電圧63V58.8V
モーター500W1200W
タイヤサイズ14″x2.125″ 18″x4.1″
車体ステイ機能不可 (オプション) 不可(標準オプション可)
トロリーハンドル不可可(標準品)
バッテリーインジケータ側面装飾LED上部液晶
ヘッド/テールライト非搭載標準搭載
ウェイトバランスサイドウェイトダブルサイドウェイトシングル
ペダル高さ平均/角度120㎜/8.5°145㎜/11.0°
USB出力ポート非搭載非搭載
Bluetoothスピーカー非搭載搭載
ペダル角度:水平を0°としたときの、ペダルの内側への傾斜角度。

one S2がカジュアル志向であるのに対して、Zシリーズは走ることに特化した
まさにプロ仕様であることがわかります。

(ninebot one S2レビュー)

one Z6とone S2。車体のボリュームは違えど、全体的な大きさは変わらない。

one S2とone Z6の外観に共通点は見られず、
inmotion V5F~V10Fのようにサイズ感のみが大きくなるようなグレードアップではないことがわかります。

特徴

ペダル

ペダルの形状は旧型モデルであるninbot one Cの形状を踏襲しています。

ninebot one Cに似た形状。

サンドペーパー地は付属品のグリップテープを張り付ける形になっています。

グリップテープを張り付けないと簡単に滑ってしまい、踏ん張りが効かないため
付属のグリップテープは必ず使用したほうがよいでしょう。

グリップテープは張り付け推奨。

ペダルの開閉にはマグネット等は使用されていませんが、
ヒンジタイプでありながら、高級感のある滑らかな開閉が可能です。

高級感のある開閉。

シェル・カバー

カバーはノッチタイプではなく、側面からネジで留めているタイプになっています。

ネジを隠すような構造になっておらず、ネジ穴から直接ネジを取り外すことができるため、
分解メンテナンスを行いやすい構造になっています。

ネジ穴が露出しており、分解しやすい構造になっている。

シェルの素材はフェイクカーボンプラスチックで構成されていますが、
高級感と耐久性の両方を兼ね備えており、洗練されたデザインになっています。

エクステンダー挿入口。

側面には空気を入れるためのポイントがデザインされており、
この位置にタイヤバルブを合わせることで、バルブエクステンダーを接続することが可能です。

ここからタイヤのバルブを合わせて、エクステンダーを挿入して取り付ける。

ハンドル

持ち上げるためのハンドルがシェルと一体化しています。

手持ちのハンドル。下部にメカニカルスイッチなどはない。

他のメーカーではフリースピン防止スイッチはメカニカル機構がほとんどですが、
one Zシリーズはウェイトセンサーが内蔵されており、持ち上げてもフリースピンしないようになっています。

フリースピンを防止。

タイヤ

one Zの構造で最も特筆すべきはこのタイヤです。

中型自動二輪のような太さのタイヤ。

自動二輪などにも使用可能な汎用タイヤ・インナーチューブを採用せず、
ninebot-segway社が当該車輛用に開発した、幅4.1インチのチューブレスタイヤを使用しています。

他の車輛とタイヤ幅・幅比率について比較してみましょう。

車輛タイヤ幅タイヤ直径幅比率(%)
ninebot one S22.125″14″15.2%
INMOTION V10F2.5″16″15.6%
KINGSONG KS-S183″18″16.7%
ninebot one Zx4.1″18″22.7%
幅比率=タイヤ幅 / タイヤ直径

現存している電動一輪車では幅の比率を鑑みても、大口径ホイールのなかで
このようなタイヤ幅を採用している車輛は他に存在していません。

このタイヤの幅の広さによって、バッテリーの位置はモーターの回転中心と
ほぼ同じ位置に並列しながらも、タイヤの内径部への格納を実現しています。

タイヤの内径にバッテリーが格納されている。

そのため車体の車高、車体幅がバッテリーのサイズによって膨張することなく、
スリムでコンパクトな車体を実現しています。

使用されているタイヤの使用を下記に示します。

  • CST(ninebot) 18×4.1/c-1358-1
  • 4PR TUBELESS
  • MAX.LOAD 190Kg (420lbs) AT 220kPa (32psi) COLD

ヘッドライト・テールライト

ヘッドライトは横に並列した二門のライトに外周を覆うスクェアライトを備えています。

夜道でも眩しい程の明るさ。

また後方には、赤色テールライトを備えています。

赤く光るテールライト。

バッテリーインジケータ

バッテリーインジケータは電源スイッチの近傍に液晶によって残量が表示されるタイプとなっています。

液晶式バッテリーインジケータ
暗所におけるインジケータ表示(バッテリー残量100%)

充電コネクタ

充電コネクタには、専用の3ピンコネクタが採用されています。

防水キャップの下に充電ポート

Bluetoothスピーカー

Buluetoothで接続が可能なスピーカーを搭載しています。
スピーカーを通じて音楽を流すことなどが可能です。

山中トレイル走行中で、熊除けにはなるかもしれない。

装飾LED

シェルの内部に装飾LEDを搭載しています。

走行のプロ仕様ながら、装飾といった遊び心も忘れていない。

後述する専用アプリのライト設定によって発光の仕方を自由に設定することができます。

専用アプリ

最新のアプリと本体をbluetoothによって接続することが可能です。
アプリでは、専用SNSと連動している他、本体の設定を変更することができます。

最新アプリのホーム画面。

サークルメーター表示

走行速度やバッテリー残量をリアルタイムで表示するサークル状のメーターです。

走行中に必須となるメーター表示。

現在bluetoothで接続している車輛の画像をタップすることで表示されます。

説明がないのでサークルメーターをどう表示させたらよいか一見ではわからない。

ライト設定

左上のメニューボタンで本体設定に進むことができます。

メニューを開いた画面


設定可能な主要項目を確認していきましょう。

ライト設定画面

ブレーキライトはON、OFFの設定が可能で、テールライトの点灯を設定することができます。
ライトパターンは、LED装飾の発色パターンを変えることができます。

ナインボット本体設定

下記の項目の設定が可能です。

本体設定画面。S2とは異なる設定項目がある。

設定項目を下記に纏めます。

設定項目選択効果
Bluetoothパスワード設定Bluetoothのパスワードを自らで設定することができます。
ファームウェアアップデート確認現在使用中のファームウェアを確認します。
姿勢センサー補正校正乗車面が前後に傾いている場合にはこの補正によって修正できます。
乗車フィーリング0~4数値が低いほど操作の柔軟性が高くなります。
通常設定:0
ブレーキ補助機能ON/OFFブレーキ動作をするとステップが後方に3°傾きます。
通常設定:OFF
持ち上げると停止します。ON/OFF持ち上げた時にフリースピンしないように設定します。
通常設定:ON
アラーム設定ON/OFF警告音の設定と警告する速度を3段階まで設定することができます。
音声設定調整使用する効果音の設定と、音量を調整することができます。
BBデータを読み取りします。読取ブラックボックスデータの読み取りを行います。
ナインボット本体設定一覧

最高速度

最高速度の設定は、よく使う機能の3つの速度モードから選択する形になります。

メイン画面を下にスクロールする。

one Z6では、以下の速度設定となります。

  • セーフモード:7km/h
  • ビギナーモード:12km/h
  • スポーツモード:35km/h

ロック・アンロック

車輛のロック・アンロックは、メイン画面の南京錠マークをスワイプすることで設定が可能です。

車輛ロック状態
車輛アンロック状態

付属品

製品に同梱されている付属品を確認していきましょう。

  • 取扱説明書一式
  • 充電器
  • バルブエクステンダー
  • トロリーハンドル
  • マッドガード
  • グリップテープ(ペダル貼付用)
  • 専用六角レンチ
取説一式、充電器、専用バルブエクステンダー。
説明書。文章は中国語で書かれている。
説明書の内容によって、その製品に対するメーカーの姿勢が表れるといっても過言ではない。
トロリーハンドル&マッドガード

トロリーハンドル・マッドガード、そしてグリップテープは自らで装備する必要があります。

トロリーハンドル

トロリーハンドルは引き出し式・外付けタイプの専用品が標準で付属しています。

外付けタイプの引き出し式トロリーハンドル。

本体に取り付けられているネジを使用して固定します。

トロリーハンドルの取り付けしろ

また、先端が車体ステイ機構を兼ねており、トロリーハンドルを装備することで
安定したステイが可能になります。

トロリーハンドルの端でステイが可能となる。

このトロリーハンドルは、外付けでありながら車体のコンパクトさ、デザインを損なうことなく
実用的にとても重要な役割を果たしている素晴らしい設計といえます。

トロリーハンドルが、車体のデザインを崩すことなく調和している。
丁度手を置きたい位置に持ち手が来るようになっている。

マッドガード

トロリーハンドルと同様に、製品のネジによって車体にねじ止めをして固定します。

上部だけでなく、トロリーハンドルを留めた側面にも留め穴がある。

素材はシリコンなどの軟質系の素材ではなく、粘りのある軽量の樹脂製となっています。

マッドガードのみ取り付けた状態。

ライド・インプレッション

リーン・カーブ

one Zシリーズで乗った瞬間に気が付くことは、
走行時の車体の直進性が他の電動一輪車よりも極端大きいという点です。

これは、車体の重心位置と幅の広いタイヤが主な要因となっています。

横に倒れる力よりも、前進する力が勝る。

これによって、タイヤをグリップさせて車体をリーンさせるという
通常の電動一輪車の乗り方では上手く乗りこなすことができません。

幅の広いタイヤは、タイヤというよりも球に近いものであると想定して、
タイヤを進行方向に転がせるようにして旋回を行う必要があります。

このような理由から、one Zシリーズは他の電動一輪車と大きく乗り味が異なる為、
乗り手を選ぶ傾向にあります。

ペダル

旧型のninbot one とよく似た形状のペダルとなっており、中心にいくつかのラバーポイントがあります。

グリップテープは粗目のサンドペーパー地となっている為、
テープを張っている場合と張っていない場合での滑り止め効果の差は歴然です。

特に理由がなければ、製品に付属しているグリップテープを張り付けて使用したほうが良いでしょう。

ペダルの高さに関しては何ら問題はない。

ペダルの角度についても、急こう配過ぎず、平坦すぎもしないため、
ペダルへの足の保持についても問題はありません。

one S2では急旋回を行うとペダルの底が削れてしまうほどペダルの高さが低かったのですが、
Z6では急旋回を行ってもペダルの底を削ることはなく、十分なクリアランスが保たれていると感じます。

モーター回転快適性

モーターの回転性は特徴的で、走行中には乾いた金属のような感覚を覚えます。

回転感覚は非常にスムースであり、この感触と音は全く問題ないものと認識しています。

独特な回転音が心地よい。

さらにこの回転感覚に快感を感じるほど心地の良い響きです。

ウェイトバランス

バッテリーの位置がモーター回転中心と同じサイドウェイト型ですが、
加えてタイヤの内径に入り込んでいる為、どの電動一輪車よりも中心に重心が集まっています。

特徴的な乗り心地とウェイトバランス。

その為、アンクルグリップでの操作がとても行いやすく、さらにブレーキングにおけるウォブリングの
発生も起こりづらいようになっており、素晴らしいウェイトバランスだと思います。

スピード

Z6の場合、この筐体で36km/hまでしか最高速度を達成できないというのは少し不満を覚えます。

また加速についても、車体の重量分をカバーしきれていないような、パワー不足感は否めません。

この重量にしては欲しいスペックが足りない。

重量としては25㎏と、電動一輪車の中でも重い車輛に分類されるので、inmotion V8Fや、V10Fなどの
20㎏前後の重量である16インチホイールと比較してしまうと少し見劣りしてしまいます。

このシェルと重量で満足に加速、巡行するためには、
やはりZ10のモーター出力とバッテリー容量が必要になるのだと思います。

航続距離

Z6の使用では45㎞と謳われていますが、実行航続距離はその7~8割程度になります。(約35㎞

パワーをセーブしながら走れば、45km到達も不可能ではない。

ほとんどの電動一輪車の実行航続距離は仕様に対して5~6割程度になる場合が多いので
比較的優秀な結果であるといえるでしょう。

その他

BMSの関係上仕方のないことだと思われますが、
バッテリーの放電が他の電動一輪車に比べ早いという点がネックになります。

バッテリーの残量が約1か月~1か月半で、フル充電の状態からゼロになってしまいます。
ですので、1か月以内を目安に充電を行ったほうがよいでしょう。

総括

いかがだったでしょうか。one Zシリーズは、本家セグウェイの技術を結集した、
電動一輪車というプロダクトにおいて、一つの完成形といえるモデルです。

セグウェイは死なず。

総評として、良い点、良くない点について個人的な主観を含めてまとめておきたいと思います。

良い点

  • 品質が高い。
  • 大口径ホイールでありながら、車体はコンパクトに纏められている。
  • 合理的な構造・設計になっている。

よくない点

  • 独自のタイヤを使用している為、タイヤの代替が入手しづらい。
  • Z6では、車体の重量に対してパワーが不足しており、加速、最高速の性能に不満が残る。
  • バッテリーの放電が他の車輛に比べて早い。

2021年現在、それぞれのメーカーから電動一輪車が販売され続けていますが、
one Zシリーズを超える合理的な設計と品質を満たした車輛は存在していないと思います

どのメーカーも、one Zシリーズのクオリティを見習って電動一輪車を開発してほしいものです。



以上、Alai Smi-yo-Theeでした。

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