今回は、電動一輪車におけるタイヤ周りと、実際の空気圧管理の実施方法について解説したいと思います。
購入直後の電動一輪車はタイヤの空気が抜けていることがありますので、
事前に内容を確認して準備しておきましょう。
タイヤ空気圧管理の重要性
電動一輪車は基本的にメンテナンスフリーです。
バイクなどと異なり、ほぼすべての部品は密閉されており、電動モーターを使用した可動部はクリーンである為、
露出部に油をさす必要も、消耗品を交換する必要もほとんどありません。
ユーザーが行うべき日常メンテナンスは、
- バッテリーの充電管理
- タイヤの空気圧管理
ほぼ、これらの項目だけです。
しかし、バイクと比較して電動一輪車;ユニサイクルはタイヤ管理の重要性が飛躍的に上がります。
一輪以上の車両は仮にタイヤがひとつパンクしたとしても、かろうじて走行することができます。
しかし電動一輪車は、一輪しかないタイヤがパンクしてしまうと、制御不能に陥り、転倒は免れられません。
その際の防具が不完全だと、大きなケガをしてしまうおそれがあります。
ですので、電動一輪車におけるタイヤの管理・空気圧は日常的に注視しておくべきでしょう。
電動一輪車におけるタイヤの基礎知識
電動一輪車の多くはチューブタイプタイヤを採用しています。
今現在チューブレスタイヤを標準採用しているのは、ninebot one Zシリーズと、
Gotway Mten3のみになります。
チューブタイプタイヤの構造はママチャリと同じように、タイヤとインナーチューブの二部品で構成されており、
タイヤがパンクするということはインナーチューブが破損して空気が抜ける状態を示します。
パンクしていなくても、インナーチューブからは自然に少しづつ空気は抜けていってしまいます。
タイヤのゴムの分子よりも空気分子の方が小さい為です。
タイヤに空気を入れた後も、走行前に確認するか、最低1か月を目安にチェックをする習慣を身につけましょう。
さて、先に挙げたママチャリのように、自転車を持っていれば誰でも空気入れを所持していると思います。
しかし、ママチャリの自転車の空気入れは、電動一輪車への使用には適していません。
その理由を見ていきましょう。
タイヤバルブ・インナーチューブ
電動一輪車のインナーチューブは、米式バルブというタイヤバルブを採用しています。
自動車・自動二輪やマウンテンバイクなどに用いられているタイプです。
ママチャリなどに採用されているのは英式バルブがほとんどで、一部のロードレース用自転車には
仏式バルブが採用されていることがあります。
米式バルブは品質が高く、英式バルブよりも高圧の空気圧まで対応してます。
ママチャリなどに用いられる英式バルブの空気入れでは、そのままでは米式バルブに接続できません。
インナーチューブについては、先端の曲がっていない通常のバイク用途のものでも代替は可能ですが、
空気を入れる際のアクセスが極端に悪くなるため、結果として手間が増えます。
ですので少し値段は張りますが、専用のインナーチューブを使用するようにしましょう。
では、この米式バルブのインナーチューブに空気を入れるにはどうすればよいのでしょうか。
- 米式バルブ対応の空気入れを使う。
- ガソリンスタンドに設置されているエアーキャリーを使用する。
- 英式バルブ→米式バルブアタッチメントを使用する。
米式バルブ対応の空気入れを使う
電動一輪車用に、専用の空気入れを用意するのが一番良いかと思います。
さらに、入れる空気圧も重要なので、エアインジケータがついているものを選びましょう。
ガソリンスタンドに設置されているエアキャリーを使用する
ガソリンスタンドに設置されているエアキャリーは、自動車や自動二輪の為の空気入れですが、
それらは米式バルブの為、電動一輪車のタイヤにも空気を入れることができます。
英式バルブ→米式バルブアタッチメントを使用する
以下の製品を使用すれば空気を入れることが可能ですが、もともとの空気入れには
インジケータがない場合が多いので、推奨はいたしかねます。
インナーチューブの基礎知識は以上ですので、次はタイヤ本体についてみていきましょう。
タイヤ
殆どの電動一輪車には、インナーチューブを用いるチューブタイヤを使用します。
電動一輪車専用のタイヤは少なく、バイク等に使用されている汎用タイヤをそのまま使用することができます。
タイヤの側面(サイドウォール)には、最適な空気圧が記されてますので、確認してみましょう。
例として、上記タイヤのスペックと指定空気圧を確認してみます。
- 18X3.0/76-355:直径18インチ 幅3.0インチ/(タイヤの型式)
- CHAO YANG:メーカー名
- TUBETYPE:インナーチューブを使用するチューブタイヤ
- INFLATE TO 240-310kPa /35-43P.S.I.
:空気圧範囲240~310キロパスカル/35~43ポンドper・スクエア・インチ
この範囲で空気を入れればいいわけです。
ここで、私の使用している空気入れのインジケータを見てみましょう。
100 P.S.I. =700kPa=7barと変換式が書いてあります
これを元にP.S.I. 表記を Bar(バール) 表記に変換します。
1P.S.I.=7000Pa=0.07Barになります。ですので、35~43 P.S.I.は、 約2.5~3.0Barになります。
このインジケータの表示ではBarの目盛感度が低いので、kPa表記を使用することにします。
どのくらい空気を入れたらよいのか
どのくらいの空気圧が最適なのかは諸説あり、個人の好みの問題でもあります。
しかし私は、比較的高めで乗ることを推奨しています。
タイヤの空気圧が低いまま乗り続けていると、インナーチューブが摩耗し、損傷してしまいます。
その結果、損傷して摩耗し薄くなった箇所からインナーチューブに微小な穴が開き、
パンクを招いてしまいます。
私の場合、インナーチューブの損傷、摩耗を防ぐことを最優先に考え空気圧を管理しています。
ですので、範囲内の8~9割の空気圧に保つようにしています。
このタイヤの空気圧の範囲の場合、空気入れのインジケータの表記が280~300kPaになるように調整します。
空気圧調整・実践編
ここまでの前提を考慮したうえで、実際に電動一輪車のタイヤに空気をいれて
調整をしてみたいと思います。
しかし、空気入れのアダプタをそのままタイヤバルブに接続しようとしても、
スペース的に厳しいことが分かります。
そこでこのエクステンダーを使用して、タイヤバルブの接続部を延長します。
エクステンダーは、電動一輪車に付属している場合もありますが、
製品によっては付属していない場合もあります。
付属していなかった場合には入手しておきましょう。下記のものなどが使用できます。
送料無料 Ninebot One (ナインボットワン) 一輪セグウェイ 空気入れ用エアーバルブ延長アダプター(150mmロングタイプ)
また、エクステンダーは接続・取り外しの際に、20~40kPaの空気が抜けてしまいます。
それを考慮して空気を入れましょう。
指定の空気圧まで空気を入れたら完了です。
空気を入れているのにインジケータの表記がゼロのまま、もしくはすぐに抜けてしまう場合
空気圧が正常に表示されていない原因は、空気入れ側にタイヤからの空気圧を
ちゃんと受けていない為だと考えられます。その要因は、
- 接続不良(どこからか漏れが発生している)
- インナーチューブのタイヤバルブコアのネジが緩んでいる、または締め過ぎている。
- インナーチューブのタイヤバルブコアが欠損している。
- インナーチューブが破損し、パンクしている。
- エクステンダーとの相性問題
などが考えられます。
インナーチューブ若しくはいずれかが損傷しているサインの可能性でもある為、原因を突き止め、
正常に空気が入れられるようになるまでは、乗ることは避けた方がよいでしょう。
また、調整の最後に手でタイヤを押して、空気が入っていることを確認することも重要です。
(空気が抜けていないかの確認)
こちらに、ninebot one S2を例に空気入れを実践した動画があります。
参考にしていただければと思います。
総括
今回は、電動一輪車のタイヤの空気圧管理について解説しました。
重要事項を再度まとめておきます。
- 電動一輪車の多くは、チューブタイヤが採用されている。
- インナーチューブは米式バルブで構成されている。
- 米式バルブ対応・インジケータ付きの空気入れを用意する。
- タイヤのサイドウォールから空気圧範囲を確認する。
- 空気を入れ、適切な範囲に調整する。
- 最後にタイヤを手で押して空気が入っているかを確認する。
タイヤの選定の仕方については、タイヤ交換の記事で解説したいと思います。
以上、Alai Smi-yo-Theeでした。
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