一輪車に乗れなくても、電動一輪車は乗りこなすことができます。
まず、最初に知っておいて頂きたいことです。
幼いころ、一輪車に乗ることが出来ずに悔しい思いをした方は多いのではないでしょうか。
心配は無用です。
電動一輪車・セグウェイに乗る為には、一輪車に乗れる必要はありません。
幾つかの知っておくべきことと、乗る為の練習方法がわかっていれば、
乗ったことがない方でも、数時間で乗れるようになります。
今回は、電動一輪車・セグウェイに乗る為のハウツーについて解説していきたいと思います。
はじめに
電動一輪車・セグウェイについて
- まだ乗ったことがない方
- 始めようと思っている方
- 乗り始めたばかりの方
こういった方々を対象にした乗り方の解説になります。
また、今回のハウツーでは、以下の達成を目標にしたいと思います。
- 補助なしに、基本乗車ができるようになる。
- カーブができるようになる。
ここでの基本乗車とは、電動一輪車に乗る際の一連の動作のことを示し、
下記の①~③の動作を繰り返し行うことで「電動一輪車に乗る」ことができるようになります。
基本乗車
① 車体を保持する基本姿勢から、ペダルに足を乗せる。
② 体重の重心移動により加速し、進行方向に進む。
③ 十分減速しながらペダルから足を降ろして停止し、基本姿勢に戻る。
基本乗車の内容は、文言だけをみれば自転車やバイクに乗る場合と
ほとんど変わらないことがわかると思います。
電動一輪車の乗車感覚は、一輪車というよりもむしろ二輪車に近い性質を持っていると言えるでしょう。
事前準備
今回は、初心者にも扱いやすいninebot one S2を使用して解説を行っていきたいと思います。
電動一輪車に乗る前に、以下の項目について準備ができているか確認しておきましょう。
- タイヤの空気圧
- バッテリー残量
- 防具
- 練習する場所
タイヤの空気圧
購入して間もない電動一輪車は、タイヤの空気圧が不足している可能性があります。
空気入れとエクステンダーと使用して、タイヤが適切な空気圧になるように空気を入れて下さい。
空気の入れ方の詳細は、下記の記事をご参照ください。
(電動一輪車・セグウェイのタイヤの空気の入れ方を解説します。)
バッテリー残量
製品に付属している充電器で、電動一輪車のバッテリーを充電してください。
車輛のバッテリー容量にもよりますが、充電時間は3~7時間程度かかるので、
乗る練習をする前日から充電をしておくことをお勧めします。
※製品に付属する充電器以外で充電をしないで下さい。
入力電圧の違いによってバッテリーが破壊され、火災の原因になる可能性があります。
防具
電動一輪車に乗る練習をする際には、固いコンクリートやアスファルトの上を走行することになります。
その為、転倒した時に怪我をしないようにするために、防具を装備することがとても重要になります。
所持金との兼ね合いにもなりますが、下記のものはすべて揃えておいた方が安全です。
- プロテクター(手首・ひじ・ひざ)
- ヘルメット
また、練習を行う際にはしっかりとした靴を履くようにしたほうがよいでしょう。
練習する場所
電動一輪車が乗れる場所は、現在の日本では限られています。
下記のような場所で、安全に練習ができる場所を探しておきましょう。
- 私有地
- 契約している駐車場
- 自由使用が認められた河川敷
- 公園
どのような場所で乗ってはいけないのかを知っておくことも重要です。
下記の記事に詳細を記していますので、宜しければそちらもご覧ください。
(電動一輪車・セグウェイに乗る為に必要なモノ・知るべきこと。)
乗車練習
事前準備がすべて整ったということで、実際に乗車練習をしていきたいと思います。
基礎編
電動一輪車を起動する
電動一輪車のハンドルを手で持ちながら、タイヤが地面に設置した状態で電源ボタンを押します。
すると、モーターが作動してペダルが水平になった状態から、
前後に倒れなくなったことが確認できると思います。
この状態をセルフバランシングと呼びます。
(電動一輪車の機能・現象・症状についての用語・キーワードまとめ)
これで、ペダルの上に足を乗せられる状態になりました。
とりあえず乗ってみる
まずは乗ってみて、電動一輪車がどのようなものかを体感してみましょう。
とはいっても、どうやってバランスをとったらよいかわからないと思います。
ですので、このような場所で、
手を添えて補助しながらバランスをとり、ペダルの上に両足を乗せてみましょう。
ポールを使用できる場所があれば最適ですが、壁や金網、手すり等でも構いません。
姿勢を改める
電動一輪車はスケボーやローラースケート等とは慣性のバランスが異なり、通常では
前に転んだり、後ろに転んで尻もちをつくようなことはありません。
ですので、ペダルの上に足を乗せることが出来たら、
自分の今の姿勢が以下のようになっていないかを確認してみてください。
- 膝を曲げていないか
- 下を見ていないか
- 前屈みになっていないか
- 腰が引けていないか
地面の上に立つのと変わらない自然な姿勢で、ペダルの上に足を乗せて立ってください。
電動一輪車が動く感覚を知る
自然な状態で立つことができたら、ポールなどの補助の手は放す必要はありませんので、
この状態で足のつま先、もしくはかかとに重心を掛けてみてください。
そうすると、電動一輪車が反応して前後に動くことがわかると思います。
ここで注意すべきことがあります。
実際に補助なしで走行する際には、
足のつま先やかかとに重心を掛けて前後進させている訳ではありません。
前に進む感覚を掴む
電動一輪車を走らせるためには、上半身の重心移動を行うことが決め手となります。
それでは、手を添えて補助している状態で、実際に走行する時の感覚を掴んでみましょう。
ペダルの上に立っている状態から、下記を試してみてください。
- 補助をしているポールなどに体重が掛からないように、できるだけ軽く手を添えるようにする。
- 自然な状態で立ったまま、上半身を前にゆっくりと屈める。
ポールを補助に練習をしている方は、手を軽く添えながらポールを周ってみましょう。
この「上半身を前に屈める」という動きは、極端には下記をイメージすると分かりやすいと思います。
こうすることで、足先だけに重心を掛けた時の動きとは違う、
「前進する」という感覚を掴めるようになるはずです。
停まる感覚を掴む
停まる場合には、前進とは逆に、上半身を後ろにゆっくりと傾けるようにします。
これによって前進するスピードが下がり、停止する感覚も掴めるようになるはずです。
また、停止している状態から後ろに傾くと後進(バック走行)します。
この練習方法でも難しい、感覚がつかめないという方は、補助輪の使用をお勧めします。
(ninebot one 用補助輪の使い方について解説します。)
乗車編
基礎編によって電動一輪車の動きがわかってきたら、
今度は補助なしで電動一輪車に乗れるように練習をしていきましょう。
基本姿勢
片足で電動一輪車を保持する姿勢を「基本姿勢」とします。
最初のうちは、片足だけで電動一輪車を支えることが難しく思えますが、
練習を行っていくうちに自然とできるようになると思います。
原理
ペダルに片足を乗せて、踏みつけた際に外側へ倒れようとする電動一輪車を、内ももで抑えることで
車体を保持しています。
手順
- セルフバランシングした状態で、車体のハンドルを手で握っておく。
- どちらかの足をペダルに乗せる。
- ペダルを踏み、車体の上面を内ももで支える。
- ハンドルから手を放す。
ペダルに乗せる足は、左右どちらでも構いません。
一般的に利き足を乗せる方が自然に感じる方が多いかもしれません。
(私の場合は、ペダルに乗せ、車体を保持する足は右足になります。)
ポイント
- ペダルの踏みつけが強すぎたり、車体が外側へ倒れていると、
車体があらぬ方向へ転がってしまうことがあります。 - 車体は少し内側へ倒すようにしましょう。また、
ペダルを踏むことよりも、車体の上面が内ももへ接触することを意識しましょう。
ペダルに足を乗せる
基本姿勢に慣れてきたら、今度はペダルに両足とも乗せます。
その為にはいくつか順序だてて練習を行っていくことで、効率よく上達することが出来るようになります。
足を上げる
基本姿勢の状態から、車体を保持していない側の足(今からペダルを乗せる側の足)について、
ペダルに乗せる必要はないので、まずは地面からペダル高さくらいまで少し跳んでみましょう。
ペダルに少しだけ乗る
上記に慣れてきたら、次はペダルに少しだけ乗ってみて、すぐに足を降ろして基本姿勢に戻りましょう。
蹴りだして前に進む
基本姿勢から、ペダルを乗せる側の足を蹴りだして、少しだけ前に進んでみましょう。
車体が前に進むことで少しだけ左右のバランスが安定するようになる為、
ペダルに足を乗せやすくなります。
しかし、この行為は車体の前進に作用するものではないので、それだけは覚えておいてください。
進んで、停まる。
ペダルに両足を乗せることができたら、「前に進む感覚を掴む」時に練習した
上半身を前に屈める方法によって前進して、車体の左右のバランスを安定させます。
少し前進出来たら、上半身を後ろへ屈めてスピードを十分落とし、
蹴りだした側の足をペダルから降ろして停車します。
おめでとうございます!これであなたは電動一輪車に乗ることが出来るようになりました!
ここで、基本乗車の方法をもう一度おさらいしておきましょう。
基本乗車
① 車体を保持する基本姿勢から、ペダルに足を乗せる。
② 体重の重心移動により加速し、進行方向に進む。
③ 十分減速しながらペダルから足を降ろして停止し、基本姿勢に戻る。
①~②でペダルを足に乗せるときに基本姿勢の状態から、
- 蹴りだしてペダルに足を乗せる。
- 蹴りださないでペダルに足を乗せる。
という二つの乗り方がありますが、どちらの乗り方でも構いません。
自分にあった乗り方を試してみてください。
カーブの仕方
これまでの練習を通じて、ある程度乗れるようになっていれば、カーブを行うことも容易いと思います。
ですがここでは、カーブを行う際に意識すべき動作を明示したいと思います。
下半身
曲がりたい方の反対側の足の膝を少し曲げ、曲がりたい方の足を軸にして車体の方向を変えます。
上半身
曲がりたい方向に上半身をねじります。特に、肩が曲がる方向に向くことを意識するとよいでしょう。
急制動の重要性
乗り始めたばかりでは、ブレーキングを体で覚えていない為、
とっさの拍子に止まらなければならない状況で、車体から降りてしまったり
あるはずのないブレーキハンドルを手で握ろうとしたり(?)して、対応できない場合があります。
その結果、転倒したり、人や障害物に激突してしまうなどの最悪の状況に陥ってしまいます。
そうならないようにするためには、急制動の重要性を理解して、意識的に練習しておく必要があります。
- ある程度スピードを出して、停車する練習を行う。
- 乗っている電動一輪車が、どの程度の制動距離を取るのかを確認する。
繰り返し練習を行い体に覚えさせることで、
どのような状況でも意識せずともブレーキングができるようになりましょう。
ここまでできるようになれば、あとはひたすら乗るだけです。 簡単に乗りこなせるようになるまで、繰り返し練習を重ねていってください。
Q&A
ここからは、電動一輪車・セグウェイに乗るにあたって
よく質問される内容について答えていきたいと思います。
Q:どこで購入できますか?
A:一部の家電量販店を除いて、店頭販売している専門店などは今のところ存在せず、
ほぼすべての消費者はインターネット通販で購入しています。
海外から個人輸入を行うことも可能ですが、
手間を掛けたくない方、購入することに自信のない方は楽天の専門店から購入することをお勧めします。
Q:どれくらいの値段がしますか?また一回の充電でどれくらい走りますか?
A:ホイールの大きさによって分類すると以下のようになります。
ホイール径 | 最高速度 | 航続距離 | 価格帯 |
10~14インチ | 26km/h | 35km | \70,000 |
16~18インチ | 40km/h | 90km | \150,000 |
20インチ以上 | 55km/h | 110km | \290,000 |
Q:初心者におススメのホイールはどれですか?
A:ninebot one S2になります。
Q:KINGSONG KS-S18のような大型のホイールに最初から乗るのは無謀でしょうか?
A:今回紹介した練習が、小径ホイールを使用した場合よりも困難になります。
特に、最初の頃は車体を転倒させたりした際に、自分の体にぶつけてしまうことが多く、
それが質量の大きいものだと余計にケガをしやすくなってしまいます。
ですが、慣れていけば乗ることはできるようになると思いますので、
大型ホイールからスタートする際にはしっかりとした防具を装備してから練習するようにして下さい。
Q:公道は走行できますか?
A:現在の日本では、公道を走行することは禁止されています。
しかし、規制緩和について本格的に議論されていますので、
将来的に公道を走行できるようになることは間違いありません。
(電動一輪車・セグウェイが公道を走行できる日は現実になります。)
総括
いかがでしたでしょうか。
乗るのは難しいと思われがちな電動一輪車ですが、簡単な練習を積み重ねていくことで、
だれでも乗ることができるようになると思います。
日本では、電動一輪車・セグウェイの乗り方を体系的に纏めた記事などをほとんど見かけません。
この記事をきっかけに、電動一輪車に乗ってみたいと思う方や、実際に始める方が増えることで
これからさらに電動一輪車の輪が広がっていくことを願っています。
以上、Alai Smi-yo-Theeでした。
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