初心者はINMOTION V5Fを選んではいけません。初めての電動一輪車・セグウェイはninebot one S2を選択すべき理由

初心者向け
電動一輪車を購入したいと考えている初心者ですが、
購入するとしたらINMOTION V5Fとninebot one S2どちらがいいですか?
同じ価格帯でもV5Fのほうが性能が良いように見えるのですが…。

電動一輪車に乗ったことがない、もしくは購入を検討しようとしている方は、
どの車両を最初に選んだらよいか悩みがちです。

そういった中で、手ごろな価格帯のINMOTION V5F とninebot one S2を発見しますが、
いかんせん、乗ったことのない人にとっては何が違うのかが
全く分からないというパターンが多いかと思います。

(スペック表をみればINMOTIONの方が性能が高そうだからこちらを選んでおけば無難かな…。)

ちょっと待ってください!私としては、乗ったことのない方が
最初にINMOTION V5Fを入手するのはあまり推奨していません。

INMOTION V5F(以下V5F)は、
電動一輪車にある程度乗れること前提にした方向けの車輛だと私は思います。

結論から言いますと、初めて乗る方にはninebot one S2がおススメです!

ninebot one S2レビュー記事

ninebot one S2。どれだけハイパフォーマンス車輛に乗れども、S2が至高であることに変わりはない。
出典:https://www.ninebot.jp/

今回の記事では、なぜ私が初めて乗る方にはV5Fではなくninebot one S2(以下S2)を
おススメしているのか、これまでの経験と決定的な根拠をもとに解説していきます。

ライダーは、一日にしてならず。

大半の方々は、電動一輪車を購入してもすぐに乗れるものではなく、乗れるようになるまでには
最低でも3時間~半日間程度の練習が必要になります。

これまでの交通移動手段とは全く違う操作系なので、
乗るれるようになるには多少なりとも練習が必要です。

しかしセンスがいい方なら、練習を必要とせず初手から乗れてしまう方もたまにいます。

また、乗れるようになってからも、上達するためにはさらに時間をかけて乗り続ける必要があります。

電動一輪車の乗り方については別記事に纏めていますので、宜しければそちらもご覧ください。

電動一輪車の乗り方、教えます。

さて、購入した電動一輪車で練習を開始するわけですが、
乗ることが難しい車輛は、乗る練習をするのも難しいのです。

V5Fは、 S2と比較して、初心者が乗るには難しい車輛です。

しかしV5FとS2では、難易度がそこまで違うものなのか疑問に思われると思います。
まずは両車両のスペックを比較してみることにしましょう。

スペック比較(V5F/S2)

名称(メーカー)V5F(INMOTION)one S2(ninebot)
最高速度25km/h24km/h
航続距離35~40km30km
本体重量11.9kg11.4kg
耐荷重120kg120kg
充電時間3.5h3h
バッテリー容量320Wh310Wh
駆動電圧84V63V
モーター550W500W
タイヤサイズ14″x2.125″ 14″x2.125″
車体ステイ機能安定ステイ可不可(オプション)
トロリーハンドル純正可(オプション)不可(オプションなし)
バッテリーインジケータ上面液晶側面装飾LED
ヘッドライト標準搭載非搭載
出典: https://eu-en.segway.com/
出典: https://www.inmotionworld.com/

タイヤのサイズはどちらも14インチとなっています。
これらは、電動一輪車の中で小型に部類される14インチホイールと呼ばれています。

それよりも小さなサイズでは、タイヤサイズが10インチのGotWay Mten3という
小型・高出力ホイールが存在します。

GOTWAY Mten3レビュー

話は戻り、このスペック表から多くの項目でV5Fが勝っていることがわかります。

しかし、電動一輪車を語るうえで難しいのは、最終的な車輛の選択は
スペックだけではわからない、ライドフィーリングの良し悪しにより決定されるという点です。

ですからスペック表だけでなく、実際に乗っている方に意見を頂いたり
可能であれば実物がどのようなものなのかを感覚をつかむ意味で確認してみるのもよいでしょう。

ペダル高さ

それでは、ライドフィーリングの比較としてまずはペダルの高さについて注目してみましょう。

ペダルの高さを実測した結果が以下になります。

  • V5F 平均 150mmでした。
  • S2 平均120mmでした。

V5Fに対して、S2の方が、約30mmペダル位置が低いのです。

左:V5F 右:S2 ペダル1,2枚分ほどの高さとペダル傾斜角度の差だけだが、乗った時の印象は大きく異なる。

乗り始めた初心者の克服すべき目標に、
まず補助なしで両足をペダルにのせ、前進することが挙げられます。

その際に、ペダル位置が高いほど、ペダルを両足に乗せるタイミングは遅くなるため
バランスをとることが難しくなります。

ペダルから足を降ろすときも同様です。

降りたいときに地面からの距離が遠く、その際に怖い思いをした場合、
再度ペダルに足をのせる勇気が出せなくなってしまいます。

つまり、初心者には、ペダル位置は低いほど良いというのが私の見解です。
その為、ペダル位置が高いV5FよりもS2の方が初心者向けということになります。

しかし、ペダル位置が低いデメリットとして、カーブした際にペダルを地面に擦る場合があります。
高速時にペダルを地面に擦るとバランスを崩して、転倒してしまう恐れがある為です。

バッテリー配置と車体の重心の関係

次に、車体の挙動に大きく作用するバッテリーの配置と車体の重心の関係についてみてみましょう。

車体の重心に大きく影響を及ぼしているのは、バッテリーの重量と配置位置です。
V5FとS2の車輛のバッテリー配置位置を比較してみます。

まずは、V5Fの内部構造図になります。

V5Fの構造図。バッテリーパック(水色部)は車輪の外側、上部真上に配置されている。
この配置構造によって、小型ホイールながらバッテリーの容量を多く確保することに成功している。
出典:https://www.inmotionworld.com/product

V5Fはトップヘビー型です。

V5Fのバッテリーの位置は車輪(インホイールモーター)の外側にあり、上部・タイヤの真上にあります。

電動一輪車・セグウェイの内部構造について解説します。
小径ホイールほど、バッテリーの重量は車体の重量に対する比率として大きくなるため、
バッテリー配置位置による重心位置の変化は大きくなります。

次に、こちらがS2の内部構造になります。
バッテリー配置位置に着目してください。

S2の構造図。バッテリーパック(水色部)は車輪の内側、側面二つに配置されている。
バッテリーパックの重量が中央に近いことで、重心が中心に集中する。
出典:https://eu-en.segway.com/products/

V5Fに対して、S2はサイドウェイト型です。

バッテリーの配置位置は車輪(インホイールモーター)のほぼ中央にあり、
位置としては車輪の各側面に二つ接続される形になっています。

これらのバッテリー配置によって、車体の重心は大きく異なる為、車体の挙動に大きく影響が出ます。
S2では、重心が車輪の回転中心の近傍にある為、車体の傾きに対して、重量の移動は最小になります。

一方、V5Fでは車輪の外側に重心がある為、S2に比べて重量の移動量も多く、車体制御の負荷も大きくなります。
さらに、重心を制御すべき車輪の中心近傍と、車輪の上部・外側にそれぞれ重量が分かれていることで、
フラツキの原因となります。

V5Fでは、重心が車輪の外側にある為ため車体の傾きに対して重量の移動量も多いことから、
車体制御の負荷も大きくなります。

V5Fでは、アンクルグリップによって操作する車輪の中心近傍と、車輪の外側にそれぞれ
重心と重量が分かれている為、走行を開始する低速時やカーブの際にフラツキの原因となります。

S2では、重心が車輪の中心近傍にある為、車体の傾きに対して重量の移動は最小になります。
また中心近傍に重心があることで、アンクルグリップによる操作がしやすいといった利点もあります。

アンクルグリップ:車体を足首の内側でしっかりホールドする姿勢のこと。
リーン:カーブする際のテクニックで、タイヤのグリップに応じて車体を側面に傾けること。

電動一輪車・セグウェイの機能・現象・症状・キーワードまとめ

…もう少し要約しますと、

  • V5Fは重心が上部にあり、中心から離れている為、カーブや低速時にフラツキやすい。
  • S2は重心が中心に近い為、カーブしやすく低速時にフラツキにくい。

つまり、初心者にとってV5Fよりも、S2の方が操作がしやすいのです。

inmotionの想定している重心と体のバランスの関係。
出典:https://www.inmotionworld.com/

上の図は、INMOTIONが公表している電動一輪車(V10Fまで)の重心と体のバランス関係を示した図です。
この通り、Vehicle Orthocenterは車体の上部にあり、
それをHighest Leg Contactで内側に押し支える姿勢をとっています。

ですが、 Highest Leg Contact で車重を保持してしまうと、
カーブの曲率は大きくなり、小回りが利かなくなります。

トップヘビーによる車体応答の悪さはV12、V11を除く、INMOTION シリーズの特徴です。

しかし欠点だけというわけではありません。頭が重いことによって、高速からのブレーキングでも車体揺れ
ウォブリング)の発生を小さくでき、比較的安全に停止することができます。

電動一輪車の機能・現象・症状・キーワードまとめ

この二種類の重心に関する車両の特徴を纏めますと、

V5F トップヘビー型

  • リーンの応答が悪く、低速時やカーブでフラついたり、車体に重量以上の重さを感じる。
  • 急なブレーキングでもウォブリングを起こしにくく、比較的安全に停止できる。

S2 サイドウェイト型

  • カーブやリーンの応答が良く、乗りこなしを楽しむことができる。
  • 急なブレーキングでウォブリングを起こしやすいため、高速からの急制動には技術が必要になる。

私としては、初心者が最初に苦労するのは、「ペダルに足を乗せ、前進する」ことだと考えています。

その際、V5Fのように低速時で車体が安定しにくい車輛で練習を行ってしまうと、
乗れるようになるまで必要以上に時間が掛かってしまうことになります。

トロリーハンドル

V5Fには純正のトロリーハンドルを接続することができます。
(V10Fには標準で付属していますが、V5Fは別売りです。)

INMOTION V5Fレビュー

ninebot は、旧モデルのone:16インチホイールにはトロリーハンドルがオプションとして
接続可能でしたが、S2はオプションのラインナップにもトロリーハンドルはありません。

しかし、14インチホイールは、他の大型ホイールと比べて持ち運びに苦労することは少ないので、
トロリーハンドルはなくても大丈夫です。

現在日本での電動一輪車の使用は、公道以外の道で走行を楽しむという遊び方しかできません。

その為、街中で降りて電動一輪車をトロリーハンドルで牽くといったケースはさほど多くありません。
電動一輪車が走行できる場所まで運んでいき、その場で取り出してライドを開始するといったケースが大半です。

乗り物としてあまりにもコンパクトな電動一輪車は、自動車や、バイク、
自転車のかごに入れて容易に運搬することが可能です。

利便性の高いトロリーハンドルですが、
14インチホイールのような小型ホイールには必ずしも必要ではないということです。

総括

以上の話をまとめます。私が初心者の方にはV5FよりS2をおススメする理由です。

  • ペダルが高いV5Fよりペダルの低いS2の方がより初心者むけの車両であること。
  • トップヘビー型よりもサイドウェイト型の方が初動の低速時や、カーブの練習に最適であること。
  • トロリーハンドルは日本の電動一輪車の遊び方と小型ホイールの場合においては、必ずしも必要でないこと。

初めて乗る方にはninebot one S2をおススメします!

【AliExpress】ninebot one S2【\66,831】


以上、Alai Smi-yo-Theeでした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました