公道走行が可能になったwalkcarで、早速街に出掛けてきました。
walkcarは実際のところ、交通に用いることは可能なのでしょうか。
今回は、walkcarの公道走行レビューをしていきます。
公道での実際の走行の様子をご覧頂き、購入を検討されている方の参考になれば幸いです。
公道走行が可能なwalkcarについて
ソフトウェア更新の対応
私の場合は、最高速度が時速15km/h仕様のwalkcarをもとから所有していたので、メーカーのサポートで
ソフトウェアを更新して、公道走行仕様に対応させました。
ソフトウェアの更新に関する記事はこちら
製品を着払いで配送→返送到着まで、大体1週間もかかりませんでした。
製品の箱を廃棄していたので、配送の際は、梱包材に包むだけでしたが、こちらに戻ってきたときには、
walkcarを固定できる製品箱サイズの段ボールに、丁寧に入れられて配送されてきました。
箱をあけて驚いたのは、パネルが新品に取り替えられていたことです。
ソフトウェアを更新する際に分解が必要な為、サービスで新品のパネルに取り替えてくれたみたいです。
10㎞/h仕様に更新されて変更された点について挙げておきます。
- 内容
- 最高速度モードが、4km/h、6km/h、10km/hになった。
- 外観
- 最高速度10km/hを証明する、オレンジのラベルに貼り替えられていた。
- オレンジのラベルに、新たなシリアルNo.が記載されていた。
- パネルとデッキテープが新品に交換されていた。
- LEDの点灯色が変更された。
- 通常時:●→●
- 充電時・バッテリーレス時:●→
スペック比較
これまで販売されていたwalkcarと、公道を走行できるようになった
新仕様のwalkcarのスペックを比較してみましょう。
名称(メーカー) | walkcar (cocoa motors.) | walkcar( cocoa motors. ) |
最高速度(3段階) | 6km/h・10km/h・15km/h | 4km/h・6km/h・10km/h |
航続距離 | 5~7km | 5~7km |
本体重量 | 2.9kg | 2.9kg |
積載重量(最小・最大) | 30kg・80kg | 30kg・80kg |
充電時間 | 1h | 1h |
バッテリー容量 | 68Wh | 68Wh |
駆動電圧 | 29.4V | 29.4V |
モータ定格出力 | 260W | 260W |
タイヤサイズ(前輪実寸) | 2.4″x1.6″ | 2.4″x1.6″ |
車体ステイ機能 | 可 | 可 |
ハンドル | 本体取っ手 | 本体取っ手 |
バッテリーインジケータ | LEDによる発光色変化 | LEDによる発光色変化 |
ヘッド/テールライト | 非搭載 | 非搭載 |
足元高さ | 74㎜ | 74㎜ |
登坂能力 | 10° | 10° |
カラーリング | イデアブルー/イプサムシルバー | イデアブルー/イプサムシルバー |
カラーリングにスペックの差異はない。
引用:https://www.cocoamotors.com/
スペック上の違いは三段階の最高速度のみになります。
ライド・インプレッション
早速、街中でwalkcarを走行させてみたいと思います。
歩道-タイル風地面-
まずは、街中などでよくみられるタイル風の地面を走行してみました。
walkcarのタイヤとの相性が一番良い地面はアスファルトになりますが、比較してみてどうでしょうか。
溝を踏むたびに音を響かせます。速度を早くするほど、けたたましく音を立てることになるので
周りの人から注目を集めることになってしまいます。
アスファルトと比較するとグリップしないので、
とっさに降りた際にwalkcarの車体が地面を滑って前方に転がります。
walkarからは降りているので、walkcarは停止するのですが、停止した後の滑走距離がアスファルトと比べて
延びるため、周囲の人や車にぶつからないように注意した方がよいでしょう。
また、滑りやすい地面によって、転倒の危険性が増します。
この手の地面での走行は振動が少ない為に一見快適に思えますが、タイヤが滑りやすいことで
思わぬ挙動を起こす可能性があります。
そのため、スピードの出し過ぎからの転倒には十分注意した方がいいかもしれません。
歩道-石畳-
石畳のような凹凸の多い地面では、モーターが回り始めにくい為、スタートすることが難しいと感じます。
せめて少しでも良いので、モーターが回転し始めるくらいの滑らかな地面からスタートした方がいいでしょう。
走行を始めれば、そのまま走行することは可能ですが、いかんせん足への振動と負担が大きいと感じます。
また、アスファルトのような滑らかな地面よりも抵抗が大きい為、
前方のセンサーをより強く踏む必要があります。
walkcarのコンセプトとして、街中のちょっとした段差から、点字ブロックまでを走破できるように
設計されているとのことですので、このあたりの凹凸道が走破の限界だと思います。
搭載されているコイルサスペンションがなければ、まともに走ることすらままならないことでしょう。
人との交差・追い越し
実際の公道で一番重要になる、「自分以外の通行人・車」という重要な検討項目を確認していきましょう。
まず、時速10km/hでは、歩行者の歩行スピードを必ず上回ります。
ですので追い越しを行うか、スピードを調整しながら並走する必要があります。
時速6km/hでは、歩行者の歩行スピードと一致する為、程よく通行人と溶け込むことができます。
追い越しを行う為には、ストップ&ゴーを頻繁におこなうことになりますが、速度の加減速は
前後方向の慣性を上手く調整する必要がある為、それだけで疲れてしまいます。
walkcarにはエンジンブレーキはありますが、スピードを減速させるための「ブレーキ」はないため、
ストップ&ゴー自体がしづらいのも難点です。
自転車
自転車は時速10km/h以上で走行してくるため、歩行者の場合とは逆に、必ず後ろから追い抜かされます。
その際に、後ろから来る自転車に気づくことができないと、接触事故を起こしてしまったり、
降りたwalkcarを踏みつけられてしまう可能性があります。
後ろから来る自転車は音もなく高速で近づいてくるので、いくつか対処法を考えておきましょう。
- 手鏡を使用して後方を確認する。
- 減速するようにして、咄嗟に降りる動作を行わない。
- walkcarに乗りながら、後ろを向いて後方確認できるように練習をしておく。
自転車の方が柔軟に動くことが出来たり、素早く停止したりする可能性が高いので、
自転車の動きに従った方が賢明かもしれません。
その他
走行しない場合は持ち運びをすることになりますが、持ち運びに関しては非常に優秀です。
約3キロの重量と、革を使用した持ちやすい取っ手によって、素手で持ち運ぶことが全く苦になりません。
専用のトートバックに入れておけば、更に持ち運びが楽になることでしょう。
車体のステイに関しても、このように安定してステイが可能であり、更にスペースも必要としません。
航続距離テスト結果
航続距離の実測テストを行いました。
コース:アスファルト地の1周約1500m程度の周回コースで、約2°程度のスロープが混在している。
実測条件:フル充電の状態から10km/hモードで走行し続け、10km/hが維持できなくなる程の
バッテリー残量になった時点で走行を終了する。
結果:約35分間連続で走行することができ、その時の走行距離は5.8kmだった。
これにより平均走行速度は9.9km/hと算出できるため、妥当性のある時間と距離であることがわかります。
約6km程度走行することができれば、山手線の一駅間くらいは走行することは可能でしょう。
ラストワンマイルを行うことができる実用的な距離です。
ラストワンマイルの実現性
walkcarは電動一輪車やセグウェイと異なり、常に車体の慣性と体の慣性を一致させる必要がある為、
乗車にはある程度のバランス感覚と体力が必要になります。
楽して移動する為のモノが、乗る為に体力を消耗するのでは正に本末転倒で、
いったい何のために乗るのかが分からなくなってしまいます。
ただし、乗ることで歩くときよりも時間は短縮されるのは間違いありません。
また、自転車などではできなかった、移動手段を無理なく持ち運ぶという点については優れており、
そういった点では、単純に自転車に乗ることよりも優れていると言えます。
「持ち運ぶクルマ」というコンセプトは達成されていると思います。
実際の交通手段・通行場所によって、自転車では到底実現できなかった様々な移動用途が考えられます。
- 公共交通機関に持ち込みが問題なくできる。(例:電車、バス、タクシー)
- 折り畳み・組立などの作業を必要としない為、持ち運ぶ際に全く時間が掛からない。
- 航空機にも持ち込みが可能。(リチウムイオンバッテリー容量:100Whまで。walkcarは68Wh)
他にも、思いもよらなかった運用方法が考えられるかもしれません。
あなたなら、このwalkcarをどのように運用したいと思いますか?
総括
いかがでしたでしょうか。
実際に街中を走ってみなければ分からないことがたくさんありました。
そうした中で見出すことができた、walkcarの良い点・良くない点を挙げたいと思います。
良い点
- 軽量(2.9kg)、持ち運びがしやすく、コンパクトさを極めている。
- 現時点で唯一公道を走行できるパーソナルモビリティである。
- 部品交換・修理に関するアフターサポートが素早く、手厚い。
- 使い方次第では、今までの交通では実現できなかった全く新しい移動方法が生まれる。
良くない点
- 価格が高い(\217,800)
- 前後の慣性バランスを常に保持し続けなけばならず、乗っていて楽になることはない。
- タイヤが小さい為、路面の影響を受けて、バランスを崩しやすい。
- 旋回性が良くない(スピードが遅いと曲がれない、早いと外側に吹き飛ばされる。)
今回の記事を読んだ上でも購入したい!という方はこちら、
メーカーHPから購入することができます。
値段に見合った買い物になるのかどうかを、慎重に検討してみてください。
以上、Alai Smi-yo-Theeでした。
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