電動一輪車のタイヤのパンクの原因はインナーチューブの摩耗によるものがほとんどであり、
パンクを直すためにはタイヤを外し、インナーチューブを交換する必要があります。
今回は、INMOTION V10Fのインナーチューブ交換を例に、タイヤの外し方から
インナーチューブの交換と、タイヤの入れ方まで順を追って説明していきます。
用意するもの
電動一輪車を分解・整備する為のツール一式が必要になりますので、
ツールに関する記事で詳細を確認してください。
特に必要になるものについて下記に示します。
- 交換用のインナーチューブ
- タイヤレバー
- ラジオペンチ
- 空気入れ
- エクステンダー
- ドライヤー
ドライヤーはタイヤを温めるために使用します。
タイヤを温めることで、着脱が格段にしやすくなります。
分解【INMOTION V10F】
それでは、INMOTION V10Fを分解していきます。
(INMOTION V10Fレビュー)
今回の分解は、インナーチューブの交換が目的なので、シェル・バッテリーをモーターケーブルと切り離す
ところまで行い、インホイールモーターからタイヤが容易に取り外せるようにします。
シェル・カバーの取り外し
モーターケーブル接続部までアクセスする為、まずは外側のカバーから取り外していきます。
ネジをすべて取り外し、カバーを取り外しにかかります。
その際、カバーはノッチになって固定されているので、マイナスドライバーで外側からこじ開けていきます。
車体の側面の赤いラインのの外側がカバーの端になっているので、ここからこじ開けていきます。
こじ開けに失敗してしまうと、このようにカバーを割ってしまいますので、慎重に行いましょう。
バッテリー・モーターケーブルの切り離し
左右両面のカバーを取り外すことが出来たら、ケーブルにアクセスする為、
コントロールボードボックスのフタを開けましょう。
その際、輪ゴムのようなものがフタの周りに付いていますが、これは防塵・防水の為のガスケットなので
切ってしまわないように注意しましょう。
コントロールボードが露出しますので、取り扱いに注意しましょう。
まず、バッテリーとコントロールボードのコネクタ(黄色いコネクタ)を切り離します。
次に、インホイールモーターとコントロールボードのコネクタ(黄色いコネクタ・白い5ピンのコネクタ)
を切り離します。
これによって、インホイールモーターが独立できる状態になりました。
インホイールモーター・シェルの分離
あとは、インホイールモーターのL字ブラケットと、シェルを固定している両面4本のネジを取り外し、
シェルとインホイールモーターを分離させます。
構造に多少の違いはありますが、どの電動一輪車でも、インホイールモーターのケーブルの切り離しと
インホイールモーターとシェルを固定しているネジの取り外しを行うことは共通しています。
タイヤの外し方
インホイールモーターを独立させたことで、ようやくタイヤの交換ができるところまでになりました。
ここで、ドライヤーを使用して、タイヤを温めていきます。
こうすることによって、タイヤのゴムが伸び、タイヤを外しやすくする効果があります。
だいたい2~3分程度温めて、タイヤを手で触ってみて、温まっていることを確認します。
タイヤが温まった状態から、タイヤレバーを使用してタイヤを外していきます。
タイヤレバーは、金属製のものを使用すると、リムを痛めてしまう可能性がありますので、
このような、樹脂製のものを使用してください。
タイヤレバーをホイールのリムとタイヤのビートにの間に差し込んでいきます。
その際に、レバーのツメの向きは下側(めくり返したときに上側になる)にして差し込みます。
「バチンッ!」と音がするまで奥へ差し込みます。
ここでは例としてタイヤレバーを3本差し込んでいますが、これから行う作業が難しい場合には
2本でも構いません。
手前のタイヤレバーから起こしていきます。
その際に、ホイールのリムを支点にして、タイヤレバーに
てこ を効かせるようにして起こすようにするのがコツです。
一本目のタイヤレバーを起こしたら、隣の二本目のタイヤレバーも同様に起こしていきます。
その際に、一本目のタイヤレバーが元に戻ろうとするので、戻らないように抑えながら、
二本目、三本目も起こしていきます。
タイヤレバーを3本とも起こし終われば、その部分のタイヤが外れかかっていることが確認できると思います。
そうしたら起こしたレバーを取り外し、タイヤの外れていない周囲へ同様の作業を繰り返し行っていきます。
ある程度繰り返し行えば、タイヤを手で取り外せるようになりますので、
そこまで到達したら、あとは手でタイヤを外します。
これで片方のタイヤを外すことができました。今回はインナーチューブの交換が目的ですので、
片方のタイヤを外すのみに留めておきます。
タイヤ自体を交換する場合には反対側もリムから取り外し、リムとタイヤを完全に分離します。
インナーチューブの交換
現在タイヤに装着されているインナーチューブを、外したタイヤの隙間から取り外していきます。
インナーチューブのタイヤバルブはリムの穴に刺さっている為、これを抜き取ります。
抜き取りが難しい際にはラジオペンチを使用してください。
インナーチューブが取り外せたら、新品のインナーチューブを入れていきます。
もし現在使用しているインナーチューブがパンクしていた場合は、修理パッチなどで修理せずに
新品に交換することをお勧めします。
タイヤバルブをリムの穴に通します。その際に、もとのバルブの向きになるようにしましょう。
V10Fではバルブの向きは右を向いています。
タイヤバルブを穴に入れづらい場合には、ラジオペンチを使用して下さい。
その際に、バルブを傷つけないように無理な力で挟まないようにしましょう。
タイヤの隙間からインナーチューブがねじれないように入れていきます。
インナーチューブを入れ終えたら、すこしだけ空気をいれてインナーチューブの収まりを確認します。
ねじれなどがなく、収まりも問題なければ完了です。
タイヤの入れ方
タイヤを元に戻していきます。
少しだけ空気を入れてしまった場合には、再度抜いておきましょう。
ここで再度、タイヤを拡げるためにドライヤーでタイヤを温めます。
温まったことが確認出来たら、タイヤをはめていきます。
まずは何処からか一か所タイヤビートをリムに落とし始めます。
リムに落とした周辺も落ち始めるので、同様に落としていきます。
最後に、ゴムが延び切らずに落ちるのが難しく、力が必要になる箇所がありますが、
これも両端から徐々に落としていけば最後には完全に嵌るようになります。
これでタイヤを元に戻すことができました。
総括
いかがでしたでしょうか。各車輛によってインホイールモーター・シェルの分離までの方法は異なりますが、
タイヤの外し方からタイヤの入れ方は共通しています。
一度でも修理を行うことができれば、電動一輪車のメンテナンスについて自信がつきますし、
交換することを前提にしてタイヤ・インナーチューブの摩耗を気にせず走行できるようになります。
今回はインナーチューブの交換例でしたが、次回以降の記事でタイヤの交換例についても
他の車輛で実践しながら解説していきたいと思います。
以上、Alai Smi-yo-Theeでした。
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