上質な乗り心地!INMOTION V10Fレビュー

レビュー

以前に、下位グレードであるINMOTION V5Fについて紹介しました。

(INMOTION V5Fレビュー)

その際には、あまり良いとは言い難い乗り心地や使い勝手などから、
V5Fにどのような評価を下すべきか悩んでしまいましたが、

INMOTON V10Fについては、多少のクセはあるものの、
乗り心地は良く、総合的にはおすすめできるといえる車輛であると思っています。

良い点と悪い点、それぞれを挙げながら INMOTION V10Fを評価していくことにしましょう。

概要

電動一輪車をバリエーション展開しているなかでも、
上位クラスとなる16インチホールがINNOMITON V10Fです。

INMOTION V10F

V10のモーター出力とバッテリー容量を改良し、
海外向けモデルに販売されたものがV10Fになります。

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これより上位には、サスペンション機構を搭載したV11、
出力電圧100VのV12が存在しています。

V5(F)V8(F,S)V10(F)V11V12
出典:https://www.inmotionworld.com/product

スペック比較(Z6/V10F)

ホイール径と最高速度、そして価格帯が近い ninebot one Z6との比較を行ってみましょう。

名称(メーカー)one Z6(ninebot)V10F(inmotion)
平均価格帯¥160,000\ 160,000
最高速度35km/h40km/h
航続距離45km90km
本体重量25kg20.6kg
耐荷重150kg120kg
充電時間6h6h
バッテリー容量530Wh960Wh
駆動電圧58.8V84V
モーター1200W2000W
タイヤサイズ18″x4″ 16″x2.5″
車体ステイ機能 不可(標準オプション可)
トロリーハンドル可(標準品)可(標準品)
バッテリーインジケータ上部液晶 上部液晶
ヘッド/テールライト標準搭載 標準搭載
ウェイトバランスサイドウェイトシングル トップヘビー
ペダル高さ平均/角度145㎜/11.0°165㎜/7.0°
USB出力ポート非搭載非搭載
Bluetoothスピーカー搭載 搭載
ペダル角度:水平を0°としたときの、ペダルの内側への傾斜角度。

この比較を見る限りでは、V10Fのほうがスピード、航続距離、そして軽さなど、
one Z6よりもすべてが上回っています。

ninebot one Z6レビュー

実際に両方を乗り比べても、V10Fの方がスペックは上であるということがわかります。

製品のクオリティとしてはZ6の方が高いのですが、
実用スペックで判断するならばV10Fの方が優秀です。

もし貴方がこの二つのどちらかを選ぼうとしているのでしたら、V10Fを購入した方が
損した気分にはならないでしょう。

ninebot one Zに惹かれるという方は、少し値段は上がりますが
Z6ではなくZ10を選択するとよいと思います。


特徴

トロリーハンドル

トロリーハンドルが標準品として製品に同梱されています。
その為、自らでハンドル部に装備する必要があります。

V5Fと類似のトロリーハンドル。

V5Fと同様のスコーピオンテイルタイプのトロリーハンドルで、
多少のガタツキやぐらつきなどはありますが、実用的には問題ありません。

ペダル

幅の広い、大きなペダルが特徴的です。

前期ロットの全面ラバー地ペダル。
裏面はハニカム形状になっている。

前期のロットでは、表面全体がラバー地のペダルが標準装備でしたが、
評判が悪かったためか、その後に表面がサンドペーパー地のペダルに変更されています。

後期ロットのサンドペーパー地ペダル。V8Fにも使用されている。

シェル・カバー

シェル・カバーはV5Fと同様の構成をしています。

カバーは半透明のポリカーボネイト製で、
その下がLED装飾が取り付けられたシェルになります。

半透明カバーの下から光るLED装飾。

コントロールボードが側面に配置され、バッテリーがタイヤの上部にある、トップヘビータイプです。

inmotion V10Fの内部構造。
出典:https://www.inmotionworld.com/

コントロールボードは内部カバーによって保護されており、
隙間にはガスケットなどの防水対策も施されています。

コントロールボードは内部カバーで保護されている。

カバーはノッチ式になっており、分解整備の際にドライバーなどでこじ開ける必要がありますが、
失敗するとカバーの一部を破損してしまいます。

このようにならないように、カバーを開ける際はくれぐれも慎重に。

カバーが開けづらい構造は分解整備を頻繁に行うことを億劫にさせるので、マイナスポイントです。

ハンドル

トロリーハンドルとは別に、車体を持ち上げるためのハンドルがシェルと一体化しています。

持ち上げるためのハンドル。

ハンドル下部にはフリースピン防止用のメカニカルスイッチがあり、
押しながら持ち上げることで、フリースピンを防止することが可能です。

タイヤ

標準タイヤには16”x2.5″のものが採用されています。

2.5インチ幅のおかげで、フラつきが緩和されている。

標準タイヤのスペックを示します。

  • 16×2.50/64-305(KENDA)
  • MAX. LOAD 75KG
  • INFLATE TO 40 P.S.I. 2.8 BAR 280KPA

ヘッドライト・テールライト

ヘッドライト/テールライトは標準装備です。

ヘッドライト
赤く光るテールライト

バッテリーインジケータ

ハンドル上面の電源ボタン近傍に、液晶式のバッテリーインジケータがあり、
常にバッテリー残量を確認することができます。

液晶式バッテリーインジケータ。

パッド

内脛を保護するパッドは、カバーに両面テープで張り付ける形になっています。

保護パッド。

しかし、パッドを張り付ける下に分解するためのネジが隠れてしまうため、
分解整備の際にその都度両面テープで張り付けられたパッドをはがさなければなりません。

マジックテープによるDIY。

パッドは製品に同行されている状態になっているので、パッドの両面テープを使用せず、
マジックテープを使用して貼り付け・取り外しが容易に行えるように工夫した方がよいでしょう。

装飾LED

カバーの下、シェルの側面には装飾LEDが備わっており、
後述する専用アプリで発光の仕方を自由に変更することができます。

装飾LEDによる発光。

専用アプリ

専用アプリと本体をBluetoothによって通信接続することが可能です。
車体の様々な状態をモニターすることができます。

メイン画面。本体設定は右上の設定ボタンから、Settingへ進む。

今回は、V10Fの本体設定における主要設定項目を確認していきましょう。

“Feature”画面①。本体の様々な設定、変更が可能。

ライトエフェクト設定

”Light Effects”で装飾LEDの発光を細かく設定することができます。
あなたの好みな発光の仕方になるように、色々試してみましょう。

LEDの発光の仕方は自由自在。

また、”Light Effect”で装飾LEDの発光をON/OFFに設定することができます。

空転防止スイッチ

”Spin-kill”でフリースピン防止の設定を変更します。
通常であればメカニカルスイッチによりフリースピンが防止される、ONが推奨されます。

最高速度

”Max. Speed”で最高速度を設定することができます。
設定範囲は5km/h~40km/hになります。

ペダル感度

”Pedals Sensitivity”でペダル感度を設定することができます。
設定範囲は0%~100%になります。

“Features”画面②。V5Fよりも設定可能項目が多い。

ドライブモード設定

”Drive Mode”で下記の二つのモードから選択します。

  • Commuting:柔らかく、スムースな加速と減速。
  • Off-Roading:オフロード用途などの強固な加速さばきの為の高レベルなペダル強度。

ペダル傾き角度

”Vehicle Calibration”を選択し、
”Pedal Horizontal Adjustment”によってペダルの前後傾斜角度を調整することができます。

“Vehicle Calibration”画面。

また、INMOTION V5Fとは角度方向が逆になっており、ここでのマイナス角度設定は
後ろへの傾きを示しています。

加速した際にペダルが前のめりにならないようにする為に、-2.0°~-3.0°の設定をおススメします。

付属品

以下が製品に同梱されています。

  • 取扱説明書
  • 充電器
  • トロリーハンドル
  • パッド
トロリーハンドルはすでに製品に装備している。
取扱説明書は英文で書かれている。図も見やすい。

ライド・インプレッション

ペダル

幅の広い大きなペダルは踏みやすく、ペダル角度も薄いため、快適に感じます。

ですが、オールラバータイプの表面のグリップはイマイチで、ブレーキングなどの点で
踏ん張りが効きづらいと感じてしまうため、不安感がぬぐえませんでした。

オールラバータイプのグリップ力はイマイチだった。

しかし、後発のペダルでは表面がサンドペーパー地になったことで
表面のグリップ力が向上したため、問題は解決しています。

モーター回転快適性

INMOTION特有の、濡れたようなモーターの回転感覚です。
ninebot one Zのような乾いた音などは聞こえず、高回転時でもとても静かです。

落ち着いたモーター回転。

スピード

最高速度は40km/hですが、これはリミッターが働く際の速度なので、
40km/hで常に巡行できるわけではありません。

巡航速度は少し物足りない。

実用的な巡航速度は35km/h~39km/hになります。

ペダル応答性

ペダル応答性はINMOTIONらしいとても自然な感覚を覚えます。
この点で気になるところはありません。

加速、旋回の点で優秀なペダル応答性。

トロリーハンドル

トロリーハンドルについては、V5Fと等しく、
使い勝手についてもまったく変わりません。

V5Fより車体が大きい分だけ短くなっている。
実用上問題ない。

INMOTION V5Fレビュー

車体ステイ

前方に倒しこむことで、シェルの形状で車体ステイすることが可能です。

地面の傾斜や横からの衝撃ですぐに倒れてしまう。

ですがV5Fほど安定はせず、横からの力や勾配のある場所では簡単に倒れてしまいます。

V5Fとの比較。

もともとの車体の細さと、16インチホイールの車体サイズでは若干無理が生じているようです。

ウェイトバランス

トップヘビー型なので、発進時などの低速時に特にフラつきやすくなります。
ですが、V5Fほどバランスが悪いという印象は受けません。

V5Fは不安定だったが…。

以下のような理由が考えれられます。

  • 車体のバッテリーの重量比率がV5Fよりも小さくなったため。
  • タイヤの幅比率がV5よりも太くなったため。
  • ペダルの大型化により安定して踏みこめるようになったため。

高速時の安定感はとてもよく、カーブやリーンもV5Fよりも安定して行うことができます。

また、トップヘビー型はデメリットだけではありません。

上方にウェイトが集中することで、ウォブリングをほとんど発生させることがない
安定したブレーキング・急制動を可能にしています。

安定したブレーキングが可能なことは非常に重要である。

また、サイドウェイト型は横幅が太くなる傾向にありますが、
V5F~V10Fの横幅はほとんど変わっておらず、スリムな形状を実現しています。

タイヤの空気漏れ問題

16”x2.5のインナーチューブは構造上の欠陥がある可能性が高く、
タイヤに空気を入れること正常にできない場合が多く、また頻繁に空気漏れが発生します

症状①:駐輪後、乗る直前にタイヤの空気が抜けていることがよくある。
タイヤバルブの異常やパンクなどはみられない。

症状②:タイヤの空気入れの際にバルブ付近から空気が抜けて、うまく空気が入らない。
エクステンダーにOリングを詰めることで空気は入るようになったが、
空気入れの空気圧表示は正常な値を示していない。

対処法:走行前に空気圧のチェックと再充填を行う。
空気圧の数値が厳密には判らないので、タイヤの感触で確認を行う(本来は非推奨)。

以下の動画でタイヤの空気漏れについて検証を行っていますので、
詳細を確認したい方はご覧ください。(16:35~)

タイヤ・チューブ交換【電動一輪車 INMOTION V10F】

総括

いかがだったでしょうか。INMOTIONのホイールを購入するのでしたら、
私としてはV10Fが唯一のおススメになります。

おススメできる一台。

価格帯、スペック、乗り心地など、すべての面で中~上位の得点を獲っている車輛だと思います。
半面、突出して良いところ、極端に悪いところがないことも特徴であるといえるでしょう。

総合評価として、良い点、悪い点を纏めたいと思います。

良い点

  • 快適な乗り心地が得られる。
  • 安定したブレーキング・急制動が可能である。

良くない点

  • トップヘビーであり、低速・発進時などで重量に負けてフラついてしまうことがある。
  • 分解の際に、整備がしづらい構造になっていること。(パッドの着脱、ノッチ式カバー等。)
  • 頻繁にタイヤの空気漏れが発生する。

日本での入手も比較的容易な車輛ですので、気になる方はぜひチェックしてみてください。


以上、Alai Smi-yo-Theeでした。

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